こんにちは!週末サーファーのMaruです!
数年前にハワイで誕生し、近年急速に波及しているフォイルサーフィンですが、まだまだ日本では認知されていないのが現状です。
僕は去年からフォイルサーフィンを始めたのですが、周りにフォイルサーフィンを教えてくれる人がいなかったので、道具選びや練習にはとても苦労しました…。
そこで、今回はフォイルサーフィンを始めようと思っている人のために、フォイルサーフィン用の水中翼(ハイドロフォイル)の種類、特徴、選び方などについて徹底紹介しますので参考にして下さい(^^)/
フォイルサーフィンとは?(仕組み)
フォイルサーフィンとは、サーフボードの下に”ハイドロフォイル”という水中翼を取り付けて行うサーフィンの一種になります。
水中翼については元々高速船などに利用されてきた技術であり、船が加速することにより、水中翼に揚力が生まれ船底が浮き上がります。
そして、船底と海面が離れることによって船と海面との抵抗が無くなり、動力が非常に効率よく推進力に変わるという仕組みになっています。
この原理を活かしたのがフォイルサーフィンというわけですが、フォイルサーフィンではボードが浮き上がることによって、海面とサーフボードの抵抗が無くなり、少しの力(風、波、脚力)でボードが進んでいきます。
なお、ボードが浮き上がり、一気に抵抗が無くなる瞬間はサーフィン歴15年以上の僕にとっても初体験の感覚で、この”無抵抗感”を一度感じるとフォイルサーフィンをやめられなくなります(笑)
また、フォイルサーフィンではボードが浮き上がることによって、目線が高くなり、ワンサイズ上の波に乗っている感覚が味わえる他、サーフィンに比べてスピード感を段違いに感じられるので「海面すれすれを高速で飛んでいる」様な気分になれます。
フォイルサーフィンの種類
フォイルサーフィンは海面に浮きあがることによって非常に少ない抵抗で進んでいくことができる仕組みになっているのですが、推進力を得る方法としては、波、風、ボートによるトーイングなど様々なスタイルがあります。
そして、それぞれの種類によって使用するハイドロフォイルやボードが変わってきますので、フォイルサーフィンを始めるにあたっては、まず”どのスタイルでフォイルサーフィンをしたいのか”を決める必要があるのです。
ここからは、フォイルサーフィンの種類について簡単に説明していきます。
プローンスタイル(PRONE STYLE)
https://www.on-s.jp/nsp_foil/index.html
➡使用するハイドロフォイル
・操作性(高い)★★★★★
・リフト力(大きい)★★☆☆☆
※ボードを浮き上がらせる力
➡使用するボード
・長さ(長い)★★☆☆☆
・幅(厚い)★★☆☆☆
・浮力(大きい)★★☆☆☆
プローンスタイルと呼ばれるフォイルサーフィンは
”波の力でテイクオフし、波の力と脚力で進むスタイル”
で、おそらく最もポピュラーなスタイルだと思います。
プローンスタイルでは5’0フィート前後くらいのボードを使いますが、タルめのウネリからテイクオフをする必要があるので浮力は通常のサーフボードの2、3倍くらいのものを使います。
ハイドロフォイルについてはボード自体が小さいので、そこまでリフト力を必要とせず、比較的小さく操作性の良いフォイルを使用します。
サップスタイル(SUP STYLE)
https://www.on-s.jp/nsp_foil/index.html
➡使用するハイドロフォイル
・操作性(高い)★★★☆☆
・リフト力(大きい)★★★★★
※ボードを浮き上がらせる力
➡使用するボード
・長さ(長い)★★★★★
・幅(厚い)★★★★★
・浮力(大きい)★★★★★
サップスタイルは、
”サップボードの上に立ち、オールで漕ぎながら波に乗る”
スタイルです。
基本的にはプローンスタイルと同じですが、ボード上に立ってバランスを取らなければならないので、ボードの大きさは必然的に大きくなります。
また、大きなボードをリフトさせなければならないので、慣れないうちはハイドロフォイルも比較的大きなものを使う事になると思います。
ウイングスタイル(WING STYLE)
https://www.on-s.jp/nsp_foil/index.html
➡使用するハイドロフォイル
・操作性(高い)★★★★★
・リフト力(大きい)★☆☆☆☆
※ボードを浮き上がらせる力
➡使用するボード
・長さ(長い)★★☆☆☆
・幅(厚い)★★★★★
・浮力(大きい)★★★★☆
ウイングスタイルはウインドフォイルなどとも呼ばれるスタイルで、
”手に持つウイングに風を受けて進む”
スタイルです。
僕は経験したことが無いのですが、ウイングスタイルでは、一度風を掴むことができれば、風が上に引き上げてくれるので、ボードの浮力は全く必要なくなります。
つまり、上級者になってくると低浮力のボードでも水中に寝ころんだ状態でスタートすることも可能なのですが、水中から風を掴むことは結構難しい(らしい)ので、初心者、中級者であれば、SUPスタイルで立つことのできる浮力くらいは必要だと思います。
トーイングフォイル(Towing Foil)
➡使用するハイドロフォイル
・操作性(高い)★★★★★
・リフト力(大きい)★☆☆☆☆
※ボードを浮き上がらせる力
➡使用するボード
・長さ(長い)★☆☆☆☆
・幅(厚い)★☆☆☆☆
・浮力(大きい)★☆☆☆☆
トーイングフォイルは
”ボートにけん引してもらいながら進む”
スタイルです。
フォイルサーフィンはサーフィンとは全く違った感覚のスポーツであり、同時に危険なスポーツでもあるので、もし始めるのであればトーイングから始めることをオススメします。
つまり、トーイングフォイルといってもスタイルは様々で、SUPフォイル用のボードで練習する人も多いのですが、本来のトーイングフォイルは操作性の高いボードとハイドロフォイルのセッティングでバックフリップなどアクロバットなライディングを行うスタイルだと思います。
ハイドロフォイルのパーツ(部品)名称
フロントウイング
ハイドロフォイルの中で最も大きな役割を持つと言っても過言ではないのがフロントウイングです。
フロントウイングは安定性、リフト力、直進性などに大きな役割を持っていますので、用途、レベルに応じて使い分ける必要があります。
リアウイング
フロントウイングと同様に操作性などに大きく影響するのがリアウイングです。
基本的な役割はフロントウイングと同じですので、フロントウイングとの相性などを考えながら使い分ける必要があります。
ヒューサラージ(胴体)
ヒューサラージとは、あまり聞きなれない名前ですが、元々は航空機などの胴体を指す言葉です。
ヒューサラージは長ければ長いほど飛行が安定しますが、逆に回転性は下がってしまいます。
ですので、SUPフォイルなどのあまり回転性を重視しないスタイルでは少し長めのヒューサラージを使っている人も多いようです。
マスト
飛行の高度を決めるのがマストです。
長ければ長いほど不安定になりますが、逆に短すぎるとすぐに水中からウイングが抜けてしまいますので、初心者であれば真ん中くらいの長さ(70cm~80㎝)くらいで始めるといいのではないでしょうか?
僕はトーイングの時は60cmを使っていますが、気持ちよくポンポングをしていても、ウイングが抜けると一気に海面に叩きつけられますので、自然波でのプローンサーフでは70cmくらいのセッティングに変更します。
ウイングの役割と選び方
表面積が薄いウイングと厚いウイングの違い
ウイングを選ぶ際の基準として表面積の大きさがありますが、ウイングは表面積が大きくなればなるほどリフト力、いわゆるボードを持ち上げる力が大きくなります。
つまり、SUPボードなどの大きいボードを使用するスタイルでは大きな表面積の大きなウイングを選ぶ必要があるのですが、逆に小さいボードに大きなウイングをセットするとリフト力が大きすぎて、一気に持ち上げられるので注意が必要です。
また、表面積が大きくなればなるほど操作性は下がりますので、クイックに動かしたい方はある程度表面積を抑えたウイングを選びましょう。
僕はプローンとトーイングに5’2”で40リットルのボードを使用していますが、ウイングについては
FW 1250㎠
RW 330㎠
のセッティングをしています。
長いウイングと短いウイングの違い
長いウイングは直線性と安定性が上がりますが、逆に短いウイングは操作性が上がります。
ですので、初心者の方はある程度長いフォイルからトライする方が良いと思います。
僕はトーイング、プローンで92㎝のフロントウイングを使用していますが、92㎝あれば初心者でも十分に対応できると思います。
真っすぐなウイングと曲がったウイングの違い
ウイングは翼の端が多少なり曲がっていますが、この曲線は真っすぐであればあるほど直進性とスピードが上がります。
逆に曲線があればあるほど操作性が上がり、クイックなライディングが可能になるのです。
厚みがあるウイングと薄いウイングの違い
表面積とは別に、ウイングには横から見た時の厚みが、分厚いウイングと薄いウイングがあります。
分厚いウイングの場合、前から流れてくる水流を穏やかに受けますので、比較的ゆったりとした上下運動ができますが、薄い場合はクイックに影響を受けますので、少しのバランスで上下します。
つまり、初心者の場合であればある程度厚みのあるウイングを使用すればいいと思います。
初心者にオススメのウイングとは?
ここまでウイングの特徴や選び方について説明してきましたが、では実際に初心者はどのようなウイングやフォイルで始めればいいのでしょうか?
もちろん、自分が目指したスタイルによってセッティングは変わってきますが、初めはSUPのようにある程度大きなボードでスタンディングできる浮力のものからトライしてみることをおおすすめします。
そしてセッティングについては、
・厚みがあって、ある程度先が曲がっているウイング
・70㎝前後のマスト
・70㎝前後のヒューサラージ
くらいのセッティングが始めやすいのではないかと思います。
上の写真は僕がフォイルを始めて今も使っているセッティングですが、今でも現役で使えていますし、リアウイングを少し大きくすることで、ポンポングでの加速も行いやすくなっています。
NSP製
FW 1250㎠
RW 330㎠
ハイドロフォイルの値段もピンキリですが、ネットで売られている格安無名の中華性はあまりおすすめできません。
なお、平均的なハイドロフォイルの金額は15万円~くらいからとなり、結構高価な買い物になりますんので、もし始めたいと思う方はスクールを受講した後、お店の人と相談しながら選ぶ方がいいかもしれませんね。
まとめ:フォイルサーフィン用ハイドロフォイルの仕組みや選び方を徹底紹介
いかがでしょうか。
近年誕生したばかりのフォイルサーフィンは未だ進化の段階にあると言えますが、最近ではずいぶんフォイルの性能も上がってきています。
同時に、ハイドロフォイルへの接触事故などが発生していることも事実ですが、ヘッドギアの装着など、安全に配意することで、比較的安全にスポーツを楽しむこともできると思います。
まだまだ競技人口の少ない競技ですが、今後ますます普及してくることは間違いないでしょう。
思い立ったが吉日と言われるように、始めたいと思った時がフォイルサーフィンの始め時だと思いますので、とりあえずスクールを探してみるのも良いと思います(^^)/